墓石の種類
和型の墓石
江戸時代から多く使われている伝統的な馴染み深い日本の墓石です。格式高いデザインは今でも多くの方に好まれています。
時代とともに様々な加工が施され種類も豊富です。
施工率が50%を切ったと言われていますが、まだまだ人気のデザインです。
洋型の墓石
公園墓地や芝生墓地の出現によって人気も高まっている墓碑です。横幅が広く、安定感があり、見た目もモダンで格調高い形になっています。
彫刻やデザインも和型に比べて自由に出来る要素が多くなっています。
神道型の墓石
和型の種類に入るもので、神道型があります。竿石の頭部を四角垂になっています。
これを兜巾(トキン)といい頭巾の形を表しています。
榊を捧げる「八足台」を置きます。
五輪塔の墓石
インドが発祥といわれており、日本では平安時代末期から供養塔・供養墓として使われています。墓石の竿石を短くして、その上に自然界の5大要素(下から方形=地輪[ちりん]、
円形=水輪[すいりん]、三角形=火輪[かりん]、半月形=風輪[ふうりん]、
宝珠形=空輪[くうりん])をかたどったものを置きます。
先祖の供養として建てることが多いです。
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文字について
墓石正面の文字
墓石正面に刻む文字は、建てる方の自由で、書式・構成・配置などのこだわりによって様々な形式となります。
和型墓石なら「○○家之墓」、洋型墓石なら横に「○○家」と
家名を彫刻するのが一般的です。家名はなく「先祖代々之墓」とする場合もあります。
また、仏教徒の場合、「南無妙法蓮華経」、「南無阿弥陀仏」などの題目を刻んだり、
神道の方は「◯◯家奥津城(奥都城)」と刻みます。キリスト教の方は十字架を刻んだりします。
洋型の墓石は「愛」、「和」、「ありがとう」など言葉やフレーズを刻むことも多いです。
建立者情報
墓石には建立年月と建立者を刻むのが一般的です。和型は真裏面に、洋型は右側面(通路から見える側にする場合もあります)に刻みます。
建立年月は年号(平成)と建立月で「平成◯◯年◯月吉日」とし、
特定日にせず、「吉日」としておくことが多いです。
春や秋に建墓する場合、「平成◯◯年春彼岸」と洒落るのもいいでしょう。
お墓の建立者には、施主や喪主、継承者の名前を代表して一人だけ刻むのが一般的です。
ただし、寿陵の場合は夫婦連名で入れることも増えてきました。
他に「兄弟みんなに協力してもらったから」「親子でお金を出し合ったから」と
建立者を複数名の連名にするケースがあります。これはもちろん間違いではありませんが、
お墓の建立者は記念碑の寄贈の意味で書くものとは違い、
継承者という意味合いの方が強いことから、オススメはしておりません。
これを建てた人という意味で建立者の名を刻む場合は、
「建立(こんりゅう)」とはせず、ほとんどが「建之」の字を当てます。
なお、「建之」の読み方は日本には無い言葉の為、決まった読み方も存在しません。
また建立者名に朱色を入れているのをたまに見かけます。
朱色を入れる意味として、死人ではないからということでしょうが、
生きている人が建立するのが当り前(死人は建立者になれません)ですので、
建立者名には朱を入れないのが原則です。あれは間違いです。
ただし、受戒(生前戒名をもらうこと)の場合は墓石や墓誌に戒名を彫刻し朱色を入れて
生前に受戒している印(しるし)とする場合は仏教の教えとしてあります。
(受戒した場合でも彫刻しないケースもあります)
戒名や俗名
戒名や俗名を墓石や墓誌(宗派により呼び名は変わります)に刻みます。本来は墓石は一人で一基だったため、戒名は墓石に刻むのが普通でありましたが、
場所の問題や埋葬の方法が変わった事により一家で一基になり、
墓誌を用意することが多くなりました。
ご夫婦だけのお墓や後継ぎ(お墓に入る方)がいなくなることが
わかっている場合等は墓誌は不要になります。
墓誌を利用する利点は、
・墓石に書くよりも、見やすい位置に建てられること
・代々にわたりたくさんの戒名を刻めること
・のちのち(墓石には書く場所がなくなり)墓石を交換せずにすむこと
があります。
普段はほとんど使用しませんが、家紋をお墓の一部に刻むのが一般的です。
花の絵や動物、好きだったものの絵を刻むケースもあります。
文字の書体
お墓に刻む文字の書体には、楷書体、行書体、草書体、隷書体などがあります。一般的には楷書体が使われる場合が多く、
和型の墓石や、建立情報や墓誌の書体は楷書体になることが殆どです。
洋型の特に言葉を墓石に入れた場合は、
こだわりにあった書体をお選びになれます。
ご自分で書いた字やパソコンの好きなフォントで彫刻することも可能です。
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